言葉に力がやどる國

クリムゾンレイヴ 舞台

太古の昔。言葉はそれ自身に力を蓄えていた。
人がそれを口にすることで力を解放し、その言葉が持つ意味通りのことを行使される。
岩に「砕けよ」と言えばどんな大岩でも割れたし、地に「裂けよ」と言ったならばどんな高い山でも引き裂かれた。
人はその言葉に宿る力を畏怖を込めて言霊(ことだま)と呼び、その言霊を特に扱えるものを言司(ことつかさ)と 呼んで恐れ、敬った。

ところが長い歴史の中で人は言霊を操る力を失い、言霊の存在そのものを忘れ去っていった。言葉に乗せられなくな ったほとんどの魂は忘れ去られるままに廃れていったがその中でも特に強い負の魂がやがて自我を持ち、人の憎悪 を食らい始める。人がために言霊を操る言司に対し、その負のエネルギーの塊はいつしか言妖(げんみょう)と呼ば れるようになった。憎悪を増幅させ思いを遂げさせることで凝縮しきったそれを人を殺して食らう言妖。そして人を救う べく言妖の前に立ちはだかる言司。
遥か太古の昔より形作られた、これは永遠に絶えることのない、戦いの物語である……。
(本文より抜粋)

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