ウスバカゲロウact3

 あん・・あ・・は・・ふ・・・。
シャワーの音が静かに響く。水しぶきが僅かに散る中、あたしはひたすら喘いでいた。股間で男の頭が動いている。もう、40分ほども責められつづけているだろうか。
 ぁん・・だ・・め・・もう、いっちゃう・・。
男があたしの股間を押し開き、敏感なクリトリスを一気に攻めあげる。舐め、吸い、しゃぶり甘噛みをする。
 あ・・ああん・・や・・やぁぁ・・・っ!
大きく背中をのけぞらせ、あたしはマットに沈み込んだ。荒い息をついて見下ろすと、満足げに客が顔を上げるのが見える。
 亜里沙ちゃん、よかった?
頷くとあたしは、身を起こさずにそのまま大きく足を開く。この客が次に求めるものがわかっているからだ。
 じゃあ、いただきます。
いそいそと嬉しげにあたしの股間に顔をうずめると、客人はあたしのクリトリスの下あたりを口で覆った。
 ん・・出すわよ・・?
一応一声かけて。
チロチロチロ・・・・・
もちろんそんな音は聞こえない。全て男の口の中に吐き出されていくのだから。男は嬉しそうに喉を鳴らして飲み込んでいる。できるだけ力を抜いてトイレでもない男の口の中に尿を全部出し切るように勤めながらあたしは天井を眺めた。

 おしっこ出して。
クンニの最中にこの人が最初にそう言ったのは半年ほど前のことになる。
 え・・?
最初、あたしは何を言われたのかわからなかった。執拗なクンニに少しぼんやりしていたのもある。
 おしっこを飲ませて欲しいんだ。
そう言うのが趣味の客も世の中にはいる。
 飲むの?
頷く男にあたしはただ、一つの点で困った。
 さっきトイレいったばっかなの。出ないわよ?
答えたあたしに今度は男が困った。
 じゃあさ、後80分1本取るからその間にビールでも飲んで出してよ。
そんなに飲みたいものなんだろうか・・?
初老といってもおかしくない年齢に見える客にあたしは頷いた。
 いいわよ。それなら何とか出るかも。
そう、それくらいならお安い御用。「飲め」と言われたら蹴ってでも追い出すけど。
それ以来、月に一度のペースでくるこのお客。大抵ダブル(2回分)で入れて大半をクンニに費やす。挿入は短く一回きり。
 結構勇気がいるんだ・・。
 何に?
あたしは、タバコの煙を細く吐き出して首をかしげた。
 おしっこ飲ませてって言うの。
確かにそうかも。あたしは少し考えて納得したように頷いて見せた。
 亜里沙ちゃんはそう言っても馬鹿にしないような気がしたんだよ。
 そお?
笑うあたしにお客さんはにっこりと頷いた。
 変態なんて言って罵らないような子だと思った。だから言えたんだ。
 「飲んで」だったらさすがに断ったけどぉ。
これは間違いなく本音。
でも馬鹿にするとか蔑むとかって・・・自分が絶対有利にいると思うからからできることなんだろうなと思う。体を切り売りするあたしが偉そうなことはあんまり言えないよね・・。
ちびりと飲んだビールが喉に苦く突き刺さった。
男も馬鹿だけど・・女も馬鹿・・。結局どっちも馬鹿なんだけど・・・。自分の馬鹿さ加減知ってたらそれだけ人にも優しくなれるのかな・・。
柄にもなく考えて、あたしはお客を見送った。

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