クリムゾン レイヴ3

人はあまりに辛いと、どうにも麻痺してしまうようです。
あまりに悲しいと、もう涙も出ないようです。
絶望すると、何も感じられなくなるようです。
じゃあ、どうしますか?
死にますか?
そもそも、生きる意味って、なんですか・・?

ちゅ・・ちゅく・・・ぺろ・・れる・・・じゅ・・
「ん・・はぁ・・あん・・・おちんちん・・おちんちん・・ください・・・。」
口一杯に男のペニスを頬張りながら後ろの男に尻を擦り付けるようにしてねだる。すでに秘裂はしとどに濡れ、床に水溜りのようなものすら作っていた。
「くくく・・香苗ちゃんがほんまに欲しいんはこれやろ・・?」
透明なジェル状のものが香苗の秘裂に塗りこまれた。途端に体が跳ね上がる。
「あっはあ・・・ん・・・ふわう・・・・。」
焦点の合わない瞳でむしゃぶりつくようにペニスを扱き、吸いたてる。
「ひあ・・お・・おひんひん・・ほひいろ・・・ひぅ・・。」
「香苗ちゃんごっついスケベやなあ。ほんまかなわんわ。」
にやにやと笑いながら男が後ろから秘裂に侵入を開始する。
ぐちゅ・・にゅる・・・
濡れそぼり、緩みきったそこはあっけなく男のものを飲み込んでいく。同時に香苗は身悶えをし、咥えいたペニスを激しく吸い上げた。
「お・・おうっ!」
どぷっ
高い歓喜の声とともに、香苗の口を犯していた男が青臭い白濁を吐き出した。これで何度目だろう。ぽたぽたと顎から零しながらも美味しそうに飲んでいく。
・・・いや、もはや味などそこには存在しない。出されたからただ飲む。それだけだ。恍惚とした表情を浮べて香苗の口の中に残りを搾り出そうとする男を押しのけて次の男が口の中に突き入れた。
「ん・・んぐぅ・・・。」
むせそうになりながらもむしゃぶりついて扱きあげる。香苗の秘裂を後ろから犯していた男もそろそろ限界を迎えそうだ。腰の動きが速くなった。
「うお・・香苗ちゃんがあんまり締めるからいってまう・・。」
言い訳など耳には入らない。ただ、与えられるものを貪るだけだ。貪る・・・。そう言ったほうがまさに正しい。まるで条件反射のように受け入れたものをひたすらに締め上げ、襞を絡みつかせる。
ニクイ・・・?
わからない・・・
カナシイ・・・?
わからない・・・
ツライ・・・?
そうかもしれない・・・
シアワセ・・・?
わかるわけがない・・・
瞳はすでに何も映さない。犯される体がただ刺激にのみ反応するだけ。
濡れる
感じる
いく
まるで機械のように。行動ルーチンに操られるように。
何時の間にか前と後ろから挟まれるように菊座と秘裂を犯されていた。
「うあ・・あう・・ああ・・いい・・・・。」
歓喜とも悲鳴ともつかない声がよだれとともに唇から零れ出た。綺麗な肩までの黒髪も、すでに精液に塗れて粘ついている。男達の唾液と精液と・・・自らの分泌液に塗れて香苗は狂っていた。
ああ・・もうだめ・・・・。
ゆっくりと、何かが崩れ落ちていく。

翌朝

ガタンガタン・・・・ガタンガタン・・・
「ん・・・う・・・。」
漏れそうな声は後ろからふさがれた手に遮られてくぐもるだけで。
ぐちゅ・・ぐちょ・・・
淫猥な音は電車の騒音にかき消される。下着はつけていない。どうせ脱がされるから。スカートのお尻は捲り上げられて割れ目には指が潜り込んでいた。足は大きく広げられ、子供がおしっこでもするかのように抱えられている。そして、そのむっちりとした太腿の間には男の腰が入り込んでいた。
「香苗ちゃん・・ほんますきものやな。」
後ろから低い声が囁く。だが、もうどうでもいい。半年も聞いていれば何も感じなくなる。グロテスクな男根がピンク色の秘裂をぐちょぐちょと出入りを繰り返す。犯され、弄られ、辱められ続けたというのにもかかわらず相変わらず美しいそこは男をしっかりと受け入れ、締め付けていた。ブラウスの下からも手が潜り込んでやや小ぶりな乳房を捏ね上げ、敏感に肥大した乳首を摘み上げていた。
これが当たり前・・?
タブンソウ
いつものこと・・?
ソウ。クリカエシ。
逃げないの・・?
モウ、アキラメタ。
そう、諦めた。朝の15分。こうやって犯される。見た目だけは元通りに戻されて人波に押し出されるように電車を降りた。
「具合悪そうやな。大丈夫?」
見え透いたようにかけられる声に黙って首を振る。
そう、それもお約束。
心配するように肩を抱かれて公園のほうへと連れて行かれた。
公衆トイレの影。前と後ろからいきなり入れられる。痛いなんて感じない。塗られるジェルに脳みそが溶かされたよう。
絶望・・?
そんなの知らない・・・。

夕方

「ええ・・・ええ・・・すみませんがそのように。いえ。飛行機はもちろんこちらで。ただ、チケットが10日前になるのですが・・よろしいですか?はい・・はい・・。」
熱心に電話をかける牧原のデスクの下。蹲るようにペニスを舐めしゃぶる香苗の姿があった。今日は牧原の日。日によって相手は違う。たまに外回りの最中の営業マンに電話で呼び出されることもある。そうなれば、どこまででも、行く。
「課長、今日飲みに行きまへんか?」
営業マンの声が聞こえた。
「ああ、いいぞ。」
香苗はそっと目を伏せた。その瞳には何の表情も映ってはいない。ただ、淡々と膨張したペニスをしゃぶるだけ。
そう、場所が変わるだけのこと。されることには何の変わりもない。

手紙を出した。
切手を貼ってポストに投函すると、なぜか涙が零れた。
『姉さん・・・。』
二つ違いの腹違いの弟。
『姉さん・・・大丈夫か・・?』
めかけの娘の香苗を、本当に良く慕って優しくしてくれた。
『今度、姉さんのアパートに遊びに行くわ。』
勇ちゃん・・ごめん・・・
罅割れた心にそれだけが浮かんだ。
遠い町の、遠い駅。誰も知らないところで、ひっそりと終えたい。
何で・・こんなところに立っているんだろう・・・
ニクイカラ
何で・・死ななきゃいけないんだろう・・・
モウ、イキテハイラレナイカラ
どうして・・あたしだけこんな目に・・・・
ニクイ・・・・
カン・・カン・・カン・・・
遠くの踏み切りが電車が近づいてくることを告げている。香苗は、それをただぼんやりと見ていた。
ニクイ・・・ニクイ・・・
デモ・・マヒシタヨウデ、ツライ
「辛いか?」
背後から聞こえた声にぼんやりと振り返った。
「・・・誰・・・?」
髪と瞳は闇の色。黒いロングコートに、黒いスラックス、黒い靴。見上げるほどに長身の男。誰もいないホームに、二人の姿だけがあった。
「死ぬのは惜しくないか?」
この人は一体何を言っているのだろう。
「惜しくあらへん・・・。」
ぼんやりと呟くような答えに男の言葉が重なる。
「それよりやつらを殺したくないか?」
なんやの・・・この人・・・。
ぼんやりと思考の端で何かが蠢いた。
「罰を、与えたくないか・・?」
「ば・・つ・・・?」
ゴオオオッ!ガタタン・・ガタタン・・・キーッ
列車とともに一陣の風が吹いた。なびく黒髪を無造作に抑えて香苗はぼんやりと男を見ていた。列車の騒音を嫌ってか、それとも人の目を憚ってか。男はその間一言も口を開かずに香苗を見つめたいた。
どくん・・・・
何かが頭をもたげた。
どくん・・・・・どくん・・・・・
暗い体の奥底で、目覚め、動き出そうとしている。
ガタン・・ガタン・・ガタタン・・ガタタン・・・・
二人の存在を残して列車が走り去る。再び風が吹き抜ける中、男が口を開いた。
『力が欲しくはないか?』
香苗は、まるでマリオネットのように頷いていた。

ピンポーン・・・ピンポーン・・ピンポーン・・・・
何度呼び鈴を押しても結果は同じだった。中にいるはずの姉は出てこない。郵便受けの新聞はざっと数えただけでも1週間分以上はあった。
ピンポーン・・ピンポーン・・・・
「姉ちゃん・・どこおんねん・・・。」
焦りが勇真を支配していた。姉の会社に電話をしても「こっちも無断欠勤で困っている」とさも無愛想に言われただけだった。
「こんな・・・こんな・・手紙寄越してきよって・・・。」
ぐしゃりと手の中の紙を握りつぶした。そこには、こう書かれてあった。
『ごめん・・。もう、会えない。』
一体・・どういう意味や・・・。
母親は違えど大事な姉だった。利発で、明るくて、勝気で、前向きな姉。それがあの会社に就職してから全く連絡が取れなくなった。半年振りに寄越した手紙がこれ・・。
くそ・・どこにおんねん・・・
いやな予感は膨らむ一方であった。
「他をあたるか・・。」
部屋で待っていてもいいが、恐らく埒はあかない。勇真はそのアパートを後にした。

朝。ごった返すホームに香苗は立っていた。
薄手のコートに地味なヒール。
まるで、何かの無機物のようにひっそりと、そこに存在していないかごとく立っている。
コロセ・・・
ぞわりと何かが思考の中で蠢いた
ソウスレバオマエハミタサレル
視界の中に、自分を犯し続けた男たちがいる。
ミタサレタイダロウ?
それが本当に求めていることだろうか。
ヤツラヲミタセバアトハオマエガミタサエルバン
そうなのかも知れない・・・
香苗は一歩を踏み出した。男達の視線にその姿を晒すようにホームの前方へと足を運ぶ。
男たちが獲物を見つけた。
そして
女は獲物を罠にかけた。

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