クリムゾン レイヴ5

花の香りが魅惑的なのは何故でしょう?
果実が蕩けるほどに甘いのは何故でしょう?
それぞれが惹きつけることに命をかける。
例えそれが招かれざる客をおびき寄せる結果となっても。
花は美しく。
果実は瑞々しく甘く。
女は美しく。

「真理恵ちゃん、お疲れさまー!!」
「はーい!お疲れ様でしたー!」
慣れないヒールは短い時間とは言えかなり痛い。普段の生活ではこんな高いヒールを履くことはないのだから。
「んもう・・・裸足で歩いちゃおうかな・・・。」
それまでの爽やかな笑顔から一転していまいましげに履いた白いミュールを眺めて呟くと、着替えをするために控え室へと急ぐ。天気がいいとは言え、鮮やかなオレンジのミニスカートにオレンジのチューブトップという格好はかなり寒い。ブルゾンを着ていても実はがたがた震えて凍死しそうだったのだ。
とにかく早く着替えなきゃ・・。
ピットから控え室のある建物まで歩き、暖かい中に入るとほっと息をついた。
トイレも行かなきゃ・・。
レースクイーンの仕事は長時間外に立ちっぱなしなのでなかなかトイレもいけないし、寒いとトイレも近くなってかなり過酷だ。モデルで成功するまでは多少こう言った仕事もして顔を売っておかないといけない。来月からは少しずつ指名で雑誌の仕事も入ってきているし、もう少しの辛抱だ。
「そうプロはこのくらいでめげちゃだめよね。」
うん、と自分に言い聞かせながらトイレにいき、個室に入る。あまり好きではないが、仕事のときは仕方なくつけている下着はTバック。短くぴったりとしたボトムスが多いので、どうしても線が出ないようにこうなってしまう。
茶色い肩までのレイヤーヘアにはっきりとした瞳、意志が強げな少し厚めの唇。すっきりと通った鼻筋。Cカップの胸にきゅっと上がったお尻。この体はモデルをやるために鍛えたものである。見た目は派手だが、真理恵は実際にはかなり地味目だった。あまり派手なことを好まない彼女がこの世界に入ってしまったのは、ひとえに姉の責任といえるだろう。自分がなれなかったモデルに妹を無理やりならせてしまったのである。とはいえ、真理恵も負けず嫌いなのでただじゃ止めるもんかと思っている。それが今までこの仕事をやっている所以でもある。
トイレから出て控え室に戻ると、ジーンズにゆったりとしたサーモンピンクのセーター、ライトブラウンのコートを羽織り、スニーカーをはく。茶色が基調のギンガムチェックのマフラーを巻いて黒いニット帽をかぶると、もう誰だかわからないほどに印象が変わってしまう。他のモデル仲間はまだピットだ。多分、この後の打ち上げか何かに参加するつもりなんだろう。だけど、自分はそこまで仕事熱心じゃない。
「さ、かえろ。」
この格好ではカメラ小僧に捕まったことがない気安さか、真理恵はサングラスもなしに外に出ると、愛車である黒いFTOに乗り込んだ。
「レース場って山の中にあるから帰りも楽しいのよね。」
帰り道のワインディングにわくわくと思いを馳せながら真理恵はアクセルを吹かした。

「・・・・あら?」
20分も走った頃、走っている道路の先にワンボックスカーが横向きに止まっているのが見えて真理恵は眉を顰めた。
「・・事故・・・?」
そのわりには誰も人間が出ていない。と思ったら車の影から一人姿を現した。
「トン君・・・?」
少し太り気味のその男は、真理恵の追っかけカメラ小僧で東正行といった。苗字からとって「トン」と呼ばれている。真理恵のスケジュールをどうやって把握しているのか、真理恵の行く所ならどこにでも現れる。モデル仲間からはストーカーと呼ばれていた。
「ん・・・どうしたのかな・・。」
どちらにしろあの状態では通行ができないので、止まっているワンボックス・・・ノアの前で車を止めた。
「どうしたの?」
車の窓から顔を出すと、冬だというのに汗を拭きながら男が歩み寄ってくる。
「あ、真理恵さん・・。いやあ・・・ちょっと・・・。」
東の曖昧な返事に車のほうを見ると、車の下から数人分の足が見えた。どうやら車の向こう側で作業をしているらしい。
「こんなとこに止まってると他の人も通れないわよ?」
もちろん自分もだが。
だがそんなことはおくびにも出さずに言うと、東は困ったように言った。
「じゃあ、すみません。ちょっと手伝ってもらえませんか?車2台ないと厳しいみたいなんですよ。」
東の頼みに何の疑いも持たず真理恵は頷いた。
「いいわよ。どうしたらいい?」
「ちょっと車を脇に寄せてこっち来てもらっていいですか?」
東の指示通り、車を路側帯に止めると東の後についてノアの向こう側に回った。そこには2人の男達。すべて真理恵の追っかけのカメラ小僧だった。
「どうしたらいい・・・きゃあっ!」
唐突に背後から羽交い絞めにされ、わけもわからぬ間に猿轡をかまされた。
「早く!乗れ!」
誰かの声に急かされるように抱え上げられると、ノアの後部座席が空いて押し込まれるように乗せられる。ミラーフィルムが貼ってある上にカーテンまで閉まっていて中から外の様子を窺い知ることはできない。
「んんーーー!!!んー!」
必死に叫ぶ真理恵の手が後ろ手に縛られ、足も揃えて縛られると、車は慌しく動き出した。後ろで聞きなれたエンジン音が聞こえるところをみると、真理恵のFTOも誰かが運転しているらしい。
一体・・・どういうこと・・?
混乱した頭で考えながらも真理恵は自分がとてつもなく危険な状況に置かれてしまったことを感じ取っていた。
車は随分長い間・・恐らく2時間ほど走って使われていない倉庫のような場所についた。下ろされて周囲を見回しても一面の山。手足の縄が解かれ、猿轡が外されても、真理恵はしばらく声が出なかった。
「これは・・・一体どういうこと・・?」
腕を引きずられるように中に連れて行かれると、がらんとした広い建物の中に机と数客の椅子が置いてある。その椅子の上に車に積んでおいたバッグがおかれた。
「着替えてくださいよ。」
「え?」
東の言葉に思わず真理恵は尋ね返した。その荷物の中には今日着ていたレースクイーン用の衣装が入っている。
「・・・どういう・・こと・・?」
「僕達だけの撮影会をさせて欲しいんです。今日は余り真理恵さんを撮れなかったんで。」
確かに今日、真理恵は余りピットから出ていなかった。だが、撮影の時間は十分だったはずである。
「そんな・・・。」
「いやならここにおいて帰りますけど。言っておきますけど、ここ、周囲50kmは民家ありませんから。」
「そんな・・・。」
東の脅しに震え上がる。冬の夕暮れにこんなところに置いていかれたら凍死してしまう。
「わ・・・わかったわ・・・。じゃあ、車の中で着替えさせて・・。」
着替えを震える手で取ると、さらに追い討ちがかかる。
「ここで着替えてください。」
「・・そんな!」
さすがに怒って振り返ると、東の冷たい視線と出会った。
隷従するか、それとも凍え死ぬか。選べ。
その瞳はそう言っていた。知らずに真理恵の背に震えが走る。
「わ・・・わかったわ・・・。」
4人の男たちが見守る中。吐く息も白い倉庫の中で一枚ずつ着衣を取り、下着を晒すとミニスカートと臍を出したチューブトップといういでたちになる。恥ずかしいよりも寒いが先行して、男達の視線は余り気にはならなかった。それがいいことなのか悪いことなのかはわからない。ついでに白いミュールにも履き替えると、震える体を抱きしめるようにしながら東を見た。すると、男たちはすでにカメラを構えている。
「そんな格好じゃ撮れませんよ。ポーズをつけて下さいよ。」
東の要求に、歯を噛み締めながらポーズを撮る。場所が場所だけにこれで済むとは考えにくい。だが、今はこの寒い場所においていかれることのほうが恐怖だった。薄暗い倉庫の中でフラッシュが光る。指示に従って椅子に腰掛けると、その金属の冷たさに鳥肌が立つ。余りの寒さに、唇は真っ青になっていた。15分ほどそうしていただろうか。やっとフラッシュの嵐が収まり、男たちがカメラを外した。真理恵はほっと息をつき、同時に震えだす体を抱えた。
「お願い・・何か・・何か着るものを・・・。」
震える声で懇願すると、羽織るものの代わりに湯気の立つコーヒーが差し出された。それを貪るように飲むと今度は尿意が襲ってくる。無理もない。最後にトイレに行ってから3時間以上は経過している上に、ずっと寒いところにいたのである。
「あの・・トイレに行きたいんだけど・・どこ・・・?」
恐る恐るという感じで尋ねると、男たちが見るからに寒気のするような笑みを浮べてお互いの顔を見合わせた。
「トイレ?おしっこ?」
遠慮のない口調で東が尋ねるのに真っ赤に頬が染まる。何故そんなことを言わないければいけないのか。黙っているといやらしい笑みを浮べながら東が歩み寄ってくる。
「どっち?おしっこ?それともうんち?」
何時の間にか丁寧語も取れているが真理恵にそんなことに気づく余裕はなかった。
「どっちでもいいでしょ?お願い。トイレはどこ?」
いらだって尋ねる真理恵を後ろから誰かが羽交い絞めにする。
「いや!離して!」
「どっちか言わないからだよ。どっち?」
下卑た笑いをい浮べた東の顔が眼前にある。涙を浮かべた瞳をその顔を睨みつけると、真理恵は蚊の鳴くような声で答えた。
「・・・おしっこ・・・・。」
真理恵のその答えを聞いて東が満面の笑みを浮べた。同時に後ろでごそごそと手が縛られる。
「い・・いや・・っなに・・・!?」
慌てて暴れる真理恵の抵抗などものともせずに後ろ手に手が縛られる。体を必死に揺する真理恵をにやにやと見ながらチューブトップの胸元に東の指がかかる。
「やめて・・やめて・・・。」
真理恵の哀願も虚しく、東の人差し指にぐいと力がかかる。
「ここから先は特別撮影会ですよ。」
「いやああっ!」
真理恵の悲鳴と同時。チュ−ブトップが引き下げられ、モカベージュのストラップレスブラが露になる。背中でホックが外される気配がして、すぐに胸元に開放感が訪れた。
「あ・・いや・・・。」
脇を締めてもなんの役にも立たない。すぐにブラは取り払われ、テーブルの上に置かれた。寒さのために硬くなった乳首を冷たい指先が摘んでからだが震え上がる。
「真理恵さんいやらしいなあ。もうこんなに乳首硬くしちゃって。」
にやにやしながら東が言うのを顔を背けて唇を噛み締めた。その間にも排尿感は襲ってくるのを足に力を込めて耐える。
「お願い・・トイレに・・・。」
乳首を離して欲しい・・というよりも生理現象が優先する。真理恵は再び懇願を口にした。
「ああ、そうか、トイレだったね。」
東の口調に聞き入れられるのかとほっとしたのもつかの間、ぴったりとしたスカートがホックを外されて引き下げられた。
「きゃあ!い・・いや・・いやあ!」
尿意を堪えてほとんど抵抗できない足からスカートが簡単に抜き取られる。
「だめだよ。せっかく親切におしっこさせてあげようって言うのに。」
「いや・・ここじゃいや・・・。」
真理恵の懇願すら楽しげに聞きながらするするとショーツが脱がされていく。わざと汚れた個所を広げて匂いをかぐと、東がにやりと笑う。
「真理恵ちゃん、匂うよ?だめだよ。モデルさんなんだから綺麗にしてないと。」
「そんな・・・。」
一日外出していて汚れない方がおかしい。そうは思っても自然と頬が赤くなり、目を伏せてしまう。今度はその真理恵を後ろから抱え、子供におしっこをさせるように股を広げさせようとする。
「いやあっ!や・・っ・・・やだあっ!」
今度は死に物狂いで足を閉じようとするのを二人がかりで開いていく。
「いや・・いや・・・。」
見られている恥ずかしさに、迫りくる限界で必死に尿道に力を込めて歯を食いしばる。その真理恵の開かれた襞を東が無遠慮に覗き込む。真理恵の整った襞は、一日の汚れが付着し、僅かに下り物と尿の香りが入り混じって漂っていた。
「結構汚れ溜まってるよ?トイレ入ったときに綺麗に拭かなきゃだめだよね。」
そして恐ろしい言葉が続く。
「誰か、真理恵ちゃんのおまんこ綺麗にしてあげない?おしっこの前にはやっぱり綺麗にしてあげないとねえ。」
「ひ・・・。い・・いや・・・いや・・・。」
「そりゃ皆だろ?」
「じゃあ、公平にじゃんけんと行くか。」
それがどういうことをさすのかはわからなかったが必死に頭を振りかぶる。今、不用意にそこに触れられたら出てしまう。それだけはなんとしても阻止しなければならなかった。だが、無情にもじゃんけんは進み、眼鏡をかけた長身の男が勝ち抜けたらしい。
「じゃあ、真理恵ちゃん。綺麗にしてあげるね。」
満面の笑みで言う男に真理恵は涙ながらに懇願する。
「いや・・いや・・やだ・・。出ちゃう・・。」
「まだ出しちゃだめだよー。」
男は明るく言うと、真理恵の懇願などおかまいなしに真理恵の秘裂に遠慮なくむしゃぶりつく。
「ひうっ・・・。」
ここで真理恵が堪えたのは賞賛に値するだろう。冷えた体に熱い舌が無遠慮に這い回る。襞の間をこそぐように舐めしゃぶり、フードを剥き上げたクリトリスを舌で擦り、舐め上げる。
「いや・・いや・・・。」
必死で堪える真理恵の太腿がふるふると小さく震える。
いや・・もう・・もうだめ・・出ちゃう・・漏れちゃう・・。
涙ながらにそう思った頃、不意に男の下が真理恵の股間から離れた。限界間近の真理恵に東の声が聞こえる。
「じゃあ、おしっこさせてあげるよ。」
それはまさに天の助けにも思えた。
良かった・・トイレ・・・。
ほっとした真理恵の股間を奇妙な感覚が覆う。
・・・え・・?
恐る恐る視線を下ろすと、秘裂を東の唇がぱっくりと覆っていた。
「い・・いや・・そんなのいやあ・・・・。」
クリトリスの少し下。尿道口をきっちりとその唇が覆っている。後ろから真理恵を抱える男が囁いた。
「早くしないと体に悪いよ?かなり溜まってるんだろ?」
「いやだ・・やめて・・いや・・・。」
「強情だなあ。」
我慢の限界に達した真理恵の胸に両脇から男たちが吸い付いた。揉み解しながらちゅうちゅうぺろぺろと舐め啜る。それが、限界だった。
「あ・・ああ・・・・。出ちゃう・・・。」
呆然とした呟き。一瞬の間。胸からの刺激にそこが緩んで大量の尿が東の口の中に溢れた。それをごくごくと喉を鳴らして飲み下す。
「あ・・ぁあ・・・・。」
全ての尿を出し切るまでの長い間、真理恵は呆けた顔で天井を睨んでいた。
ぴちゃ・・くちゅ・・ちゅ・・・
おしっこを出し切った後も東の口はそこから離れることはなかった。執拗に襞やクリトリスを舐め、膣に舌を突っ込もうとする。
「う・・ぁう・・・。」
いやだと思っても体は感じる。
真理恵はこの日、いやというほどそれを思い知らされた。寒ければ熱いお茶を飲まされる。だが、それ以外に体を温める手段を与えられない以上、凍える体を男達の手に任せるしか真理恵にはなかった。ありとあらゆるところを舐め、しゃぶられる。硬くなるクリトリスは、否応なしに柔らかくぬめる舌からの快楽を体の奥底まで伝え、真理恵を追い立てた。
「真理恵ちゃん、もうびちゃびちゃだよ?いやらしいなあ。やっぱりこうやって仕事とったりするんじゃない?」
違う・・・。
思ってももう言葉にはならない。
「い・・いや・・・ぁ・・ぁん・・だめ・・だめぇ・・・っ!」
甲高い声を上げて達すると、溢れる愛液をずるずると吸い込まれる。温かいお茶だけを流し込まれる体はすぐに次の尿意を訴える。
「お願い・・・トイレ・・。」
懇願に宛がわれるのは次の男の唇。
「買ったら結構高いんだよ?真理恵ちゃんのおしっこ。こうやって飲んだらただだからラッキーだよね。しかもおしっこだけじゃなくて別のものまで飲めちゃうし。」
・・そんなの・・どうやって手に入れるの・・・?
寒気が襲い掛かり、次の男の口の中に尿を流し込む。抵抗するのも馬鹿らしくなって宛がわれるとすぐに出してしまった。美味そうにごくごくと飲むのを無表情に見つめる。次の男の喉を潤し、秘裂をいいように舐めしゃぶられると後ろからずっと真理恵を抱えていた男が不満の声を漏らす。
「俺もそろそろいい思いしたいんだけどな。」
コンドームをかぶせたペニスで後ろから真理恵を貫くことで男の欲望は満たされた。
「う・・ああ・・もう・・やだ・・やだぁ・・・いや・・おかしくなる・・・。」
大股開きのまま、背面座位から犯される真理恵の体を他の男たちが嘗め尽くす。ぐちゃぐちゃと男のペニスを咥えさせられる襞を舐め、クリトリスをしゃぶり、乳首を舐め転がして首筋を噛む。頭を突き出させてペニスを咥えさせるが、その際にもコンドームをかぶせるのはまだまだ嘗め尽くそうと目論んでいるため。
真理恵の中で何かが崩壊し、何かが目覚め、何かが凍りついた。
・・どうして・・こんな目に・・・・。
頭の中には一つの疑問。
・・こいつら・・許せない・・・。
胸の中に一つの感情。
・・・誰か・・助けて・・・・。
目には一つの祈り。
ダレカ・・・・。

美しい蝶は斑の蜘蛛に食い尽くされました。

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